がん保険は、加入を検討する人が多い保険のひとつです。がんにかかるリスクは全ての年代にあること、また、加入年齢が低いほど保険料を安く抑えられることから、早いうちからの加入がおすすめです。
そんながん保険には「終身型」と「定期型」の2種類があります。保険探しをしているとよく目にする分類方法ですが、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
この記事では、「終身型」と「定期型」の違いと、それぞれの特徴について詳しく解説します。正しい知識を身に着けて、自分に合った保険を選びましょう。
大学卒業後、大手損害保険会社勤務を経て独立。保険会社時代は代理店営業、新入総合職員の研修担当に従事する。独立後は、FPとして生命保険をはじめとした保障の見直しや、中小企業経営者への事業承継・相続対策などの提案業務を行う。地方ローカル局にて、お金にまつわる話題を取り扱うラジオ番組「おしえて野口さん!」を23年継続放送中。
大学卒業後、大手地方銀行に就職。融資業務に加え、投資信託・保険商品等の資産管理業務を担当。退職後はライターとして独立。複数の大手WEBメディアにて執筆実績あり。
がん保険の「終身型」と「定期型」の違い
「終身型」と「定期型」の主な違いは、次の2点です。
- 1.保障の期間
2.保険料の仕組み
「保障の期間(保険期間)」の違い
「終身型」と「定期型」では、保障を受けられる期間が異なります。
■終身型の保険期間:生きている間、一生涯続く
■定期型の保険期間:5年や10年など、一定期間に限定
※一般的に、保険期間が満了すると自動更新されます
「終身型」は、保障が一生涯続く安心感があります。
一方、「定期型」は保険期間を一定期間に限定できるため、住宅ローンの完済までや、子どもの独立までなど、ライフステージに合わせた活用が可能です。
「保険料の仕組み」の違い
「終身型」と「定期型」では、保険料の仕組みが大きく異なります。
■終身型の保険料:加入時の保険料が一生涯変わらない
■定期型の保険料:更新時の年齢で再計算されるため、更新のたびに高くなる
「終身型」の保険料は、一生涯変わりません。がんの罹患リスクが上がる年代になっても、加入時の保険料のまま保障を受けられます。
一方、「定期型」の保険料は、更新のたびに段階的に上がります。これは、年齢が上がるにつれてがんの罹患リスクも上がるためです。
がん保険の「終身型」と「定期型」のメリット・デメリットを比較
「終身型」と「定期型」のそれぞれのメリット、デメリットは次のとおりです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
終身型 | 保障が一生涯続く ・保険料が一生涯変わらない ・保険料の短期払いができる |
・若い年代では「定期型」よりも保険料が高い |
定期型 | ・一定期間のみ加入できる ・若い年代では「終身型」よりも保険料が安い |
・更新のたびに保険料が上がる ・更新できる年齢に制限がある |
■若い年代では「定期型」の方が、保険料を安く抑えられます。その反面、高齢になると保険料が高くなる上、一定の年齢を超えると更新ができません。
■「終身型」は保険料が一定のため、家計管理をしやすいというメリットがあります。加えて、払込期間を「60歳まで」のように短縮する「短期払」も選択可能です。「終身払」よりも月々の保険料は高くなりますが、老後の保険料負担がなくなります。
ただし「終身型」は、保障内容の見直しが難しいという側面もあります。
定期型のように満期での更新機会がないため、見直しの際は自分から行動を起こさなければなりません。また、保険料は加入時の年齢とともに高くなるので、他の保険に切り替えると上がった年齢の分だけ月々の負担も大きくなります。そのため、終身保険の見直しでは「契約自体はそのままで、一部の特約だけ解約する」といった方法もよく検討されます。
※一般的に保障内容(保険)の見直しとは、加入済みの保険を解約し、新しく保険に入り直すことをいいます
「終身型」と「定期型」はどちらがおすすめか
「終身型」と「定期型」のどちらを選ぶべきかは、それぞれのライフステージや考え方によって異なります。
一生涯変わらない保険料・保障を求めるなら「終身型」
「終身型」は保険料が一生涯変わらない点が大きな魅力です。そのため、一生涯がん保険に加入する意向がある人には「終身型」が向いています。
また、加入が早いほど月々の保険料が下がるため、若いうちから将来のがんのリスクに備えておきたい人にも「終身型」がおすすめです。
割安な保険料で一定期間がん保障をつけるなら「定期型」
「定期型」は、保険期間を限定することで保険料を安く抑えられます。ライフステージに合わせて一定期間だけがん保障を手厚くしたい人や、保険を柔軟に見直したい人におすすめです。
また、若い世代では「いくら保険料が安いと言っても、いきなり終身保険に入るのは・・・」とためらう人も多いでしょう。そんな方には、当面のがんのリスクに備えつつ、支出も短期間で済む「定期型」がおすすめです。
まとめ
上記のとおり「終身型」と「定期型」は、それぞれにメリット・デメリットがあるため、どちらが適しているかは人によって異なります。がん保険を選ぶ際には「どのような保障が、いつまで必要か」といった自身のニーズを明確にした上で検討しましょう。
大学卒業後、大手損害保険会社勤務を経て独立。保険会社時代は代理店営業、新入総合職員の研修担当に従事する。独立後は、FPとして生命保険をはじめとした保障の見直しや、中小企業経営者への事業承継・相続対策などの提案業務を行う。地方ローカル局にて、お金にまつわる話題を取り扱うラジオ番組「おしえて野口さん!」を23年継続放送中。
大学卒業後、大手地方銀行に就職。融資業務に加え、投資信託・保険商品等の資産管理業務を担当。退職後はライターとして独立。複数の大手WEBメディアにて執筆実績あり。