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50代必見!生命保険の見直し方を分かりやすく解説

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ふと収支を確認したとき、社会人なりたての頃に加入していた生命保険がそのまま放置されていた……なんて経験はありませんか?

50代ともなると加入した当時とはライフスタイルも変わっていて、当時は必要だったけれど今は不要になっているものもあるかもしれません。たとえば、何年も前に加入したがん保険になると現在ではあまり活用することが出来ない保障内容になっている可能性もあります。
この機会に生命保険を見直すことで、無駄になっていた負担を軽くし、老後の準備を始めましょう。

この記事は生命保険の見直しを考えている50代の方へ向けて、保険の見直し方法を徹底的に解説しています。気になる方はぜひ参考にしてみてください。

目次
簾谷 志貴
簾谷 志貴インターグ株式会社 保険事業部
専門・得意分野
保険全般

大学卒業後、外資系生命保険会社に入社。2019年に独立しコンサルティング会社設立。生命保険会社時代は保険代理店営業に従事し、販売手法、新規市場開拓で実績を積む。独立後は様々な企業のコンサルティングを行いつつ、保険募集人としても活躍。

保険とみらい編集部
保険とみらい編集部

「すべての人が保険の悩みや将来の不安から解放され、人生を活き活きと生きられるよう、そのお手伝いをする」
この言葉をミッションに、保険とみらい編集部は、難しい保険の情報を、どこよりも「わかりやすく」「新しく正確で」「網羅的に」お届けします。

50代の生命保険の見直し方を徹底解説

50代になると若い頃よりも介護や病気などのリスクが格段に高くなっていきます。その中で、自分が生命保険の見直しにおいてどこに重点を置きたいのかをしっかりと考えましょう。

まずはどのようなリスクがあるのかご説明します。

50代から急激に高まる4つのリスク

リスクについて懸念を促すイメージ図
大まかに分けて、50代から考えるべきリスクは主に4つです。

病気のリスク

病気のリスクとして一番懸念されるものは生活習慣病です。生活習慣病は、普段の生活習慣が発症や進行に関与する疾患とされており、さまざまな病気があります。

糖尿・高血圧・脂質異常症・心筋梗塞・脳血管疾患・がんなどが該当し、このほとんどが自覚症状のないまま進行します。そして自覚症状が出るまで状態が悪化してから病院に行くと、早期治療が困難なレベルまで病気が進行していることも少なくありません。

特に、がん・心筋梗塞・脳血管疾患は3大疾病と呼ばれ、日本人の病気による死因トップ3を独占しています

介護のリスク

今や長生きもリスクと言われていることはご存知でしょうか。

医療の発達に比例して寿命も伸びています。しかし平均的な寿命が約80歳で伸びていても、健康寿命は約70歳とされ、残り10年は何かしら生活に支障の出る病気に罹患する可能性が高くなります。

平均的な介護期間は5年と言われていますが、これはあくまで平均であり、10年や15年介護をしたという人も少なくありません。

介護になると家族が面倒をみてくれるのか、施設に入るのかという問題もあります。お世話してもらうのが家族であろうと施設であろうと、大きな金額が必要になってくることは確実です。

さらに、在宅介護の場合は家のバリアフリー化が必要になってきます。施設に入所する場合も、入所時に頭金で数百万円のお金を支払うことがほとんどです。期間にもよりますが、介護には約500万円〜1000万円がかかると言われています。

老後の資産不足のリスク

2019年に金融庁の市場ワーキング・グループが公表した、老後に2,000万円が必要になる「老後2,000万円問題」をご存じでしょうか?これは世間にとても大きなショックを与えました。

老後に2,000万円必要になるという理由は、65歳時点での金融資産の平均保有状況を基に以下の通りに記述されています。

”収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生する場合は20年で約1,300万円、30年で約2,000万円の取り崩しが必要になる。支出については特別な支出(例えば老人ホームなどの介護費用や住宅リフォーム費用など)を含んでいないことが留意である。
※引用:金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」 令和元年

このテキストの引用元では、65歳以上の高齢者は、年金を超える毎月の赤字出費が5万円ほどかかると想定しています。それが30年続くと2,000万円の出費が必要となるため、最低でも老後に2,000万円の貯蓄が必要になる、というショッキングな予測が「老後2,000万円問題」として注目されたのです。

死亡のリスク

最後のリスクは全員に平等に訪れる死亡のリスクです。病気や介護のリスクから派生することもあります。

独身であれば自分の葬式、片付け費用だけで済むかもしれません。しかしながら夫婦世帯の場合はいかがでしょうか。子どもがまだ独立していなければ学費も残っていますし、配偶者以外に子どもが2人以上いれば相続も考えなければなりません。

リスクに備えるための各保険種類の見直しポイント

保険見直しを提案するアドバイザーと顧客の図
ここまで4つのリスクをご紹介しましたが、全てのリスクに備えるために保険を見直すためには実際どうすれば良いのでしょうか。保険の種類ごとに、ポイントを確認してみましょう。

医療保険の見直しポイント

医療保険は、若いうちに加入したままの状態だと、今の時代に合わないものになっている可能性があります。

たとえば、あなたが加入している医療保険は、入院1日目から給付されるものになっていますか?20年以上前の医療保険となると、入院4日目からなど、数日経たないと給付されないものや、なかには10日までしか給付されないという保険もあります。

当時は長期入院が普通だったので何の問題もありませんでしたが、現在は短期入院が一般的になっています。コロナというパンデミックもあり、がん患者でさえ手術をして2日で帰宅する時代なのです。

さらに、50代になるとケガや病気になるリスクが若い時に比べると格段に上がります。

以上を踏まえて、以下が医療保険見直しのポイントになります。

    医療保険の見直しポイント
  • 入院や通院、手術の保障内容が今の医療実態に合っているか
  • 先進医療特約の保障対象は保険会社によって差が出やすい為、金額と必要性を確認する

終身保険の見直しポイント

終身保険は保障が一生涯続きますので、保険料が変わらず、貯蓄性があるので老後のリスクにも備えられます。そしていつ死亡しても保険金を受け取れるので相続にも備えることが可能です。

しかしデメリットとして保険料が高めで、定期保険と違い満期がないので見直しのタイミングをつかみづらいという点があります。

一生涯続く保険なので、葬儀代や老後に向けての資産形成として役立てると良いでしょう。

以上を踏まえて、以下が終身保険の見直しポイントになります。

    終身保険の見直しポイント
  • 最低限、葬儀代をまかなえる保障金額に加入しているか
  • 老後の生活資金として資産形成していきたいのか
  • 余剰資金がある場合は相続対策として終身保険を活用したいのか

定期保険の見直しポイント

定期保険は期間が定められており、死亡時に遺族がまとまったお金を一時金で受け取れます。保険料が終身保険よりも安くなるため、ライフスタイルの変化に応じて見直しをしやすい保険です。

定期保険には収入保障保険というものもあります。収入保障保険の場合は年金形式で毎年、もしくは毎月遺族が保障額を受け取れるものです。

デメリットは、満期がくるたびに更新が必要になるため、契約時の年齢が上がるごとに保険料も上がっていくことです。そして年齢が上がるということは健康状態が悪くなっている可能性も大きいので、更新せずに新しい定期保険に入りたい場合に加入できない恐れがあります。

50代はまだまだ働かなければならない世代です。
子どもがまだ独立していない場合、葬儀代程度の金額では残された家族がこれまでと同じ生活を続けることができません。定期保険は自分が働いている間だけでも家族が困らないような保険金額のものに加入することをおすすめします。

一方で、独身の方や、子どもがいない・すでに独立しているといった場合は生活費や教育費が必要ないため最低限の保障で十分でしょう。

以上を踏まえて、以下が定期保険の見直しポイントとなります。

    終身保険の見直しポイント
  • 今現在の保障額は多すぎないか、少なすぎないか
  • 家族がいる場合は今までと同じような生活できるくらいの保障額を用意しているか
  • 独身や養育・教育費が不要な状態であれば、最低限身の回りをしっかり整理できる程度の保障になっているか

養老保険の見直しポイント

養老保険は定められた期間内に死亡すると死亡保険金が、満期になると満期金を受け取れる保険ですが、保険料が高くなってしまう傾向があります。

老後の生活資金としてや教育費などの決まったタイミングで受け取れるので、加入する際は目的をはっきりとさせておきましょう。

貯蓄性が優れていることは確かですが、高額になりうる可能性があります。自身の必要な保険に加入したうえで、さらに余剰金がある場合に加入すると良いでしょう。

以上を踏まえて、以下が養老保険の見直しポイントとなります。

    終身保険の見直しポイント
  • 必要な保険に加入したうえで、余剰資金で加入しているか
  • 加入目的をしっかりと持っているか
  • 老後の生活資金として資産形成していきたいのか

50代の生命保険見直しの具体的な考え方

生命保険の種類ごとに見直しポイントをご説明しましたが、ここからは生命保険をどのようにして組み合わせていけば良いのか、具体的にご紹介します。

独身の場合

一人で過ごす独身男性が何かを考えているイメージ図
独身の場合は、年々リスクが高まるがんなどの生活習慣病にしっかりと対応できるよう、病気やケガに備えることが必要です。

1人で過ごしているのでお金の自由はききますが、お世話をしてくれる人が周りにいない分、自分で身の回りをなんとかしなくてはなりません。将来介護状態に陥ってしまったときに、ヘルパーに依頼したり、介護施設に入所する必要が出てきたりします。

仮に施設に入所するとなると、介護施設には頭金として数百万円のお金がかかります。基本的に多く出せば出すほど月々の使用料を下げることができることから、一度にまとまった金額が必要になってきます(ヘルパーを頼む場合は、サービスを受けるたびに金銭が発生します)。

そのため「介護保障と医療保障を重点的に、死亡保障は最低限、余剰資金で老後の生活資金を」というイメージで良いでしょう。

医療保険は保険商品によっては通院や、がんなどの三大疾病、子宮内膜症などの女性疾病など、さまざまな保障を付加することが可能です。特にがんは再発や転移が起こる可能性もあり、ステージや患者の体調などによって治療方法が変わってきます。
いつ病院にかかってもいいように、通院や三大疾病など、自分に必要な保障を付加したうえで、保障が一生涯タイプのものにしましょう。

介護保険は多くの場合、要支援・要介護状態になった時に一時金や介護年金を受け取れます。給付金を受け取れる条件は保険商品によって変わりますが、「要介護2以上と診断される」などの規定があります。
自分が介護状態になったとき、ヘルパーや介護施設にどの程度の料金が必要になるのかを調べておきましょう。

死亡保障に関しては葬儀費用をメインに考えます。費用は葬儀の規模や、樹木葬などの、形式によってはお墓代も含め安く収めることも可能です。しかし、独身の場合でもご自身の両親と生活していたり、介護をしていたりする場合は、死亡保障を少し手厚くする必要があるかもしれません。

1人で人生を送るからこそ、ケガ・病気・介護など、どんなときでも対応できるようにしておきましょう。

夫婦の場合(子どもが独立していない)

夫婦と子どもがソファに座っている家族団らんのイメージ図
夫婦で共働きの場合は、2人で世帯としての必要保障を同時に備えることができるので、一人一人の負担を減らすこともできます。しかしながら、子どもがまだ独立していない場合は教育費にも重点をおかなければなりません。
もし自分に万が一のことがあった場合、子どもの養育費や遺族の生活費を生命保険でまかなわなければならないのです。

子どもがまだ学生の場合は、両親のどちらかが亡くなってしまうだけで収入が半減してしまいます。特に大学に通っている場合は授業料も高額です。家から離れた大学に通っている場合は仕送りやアパート・下宿先の賃料を支払ってあげることもあります。最悪の場合、退学をしなければならない可能性もでてきます。
そのため、最低限子どもが独立するまでの費用は死亡保障で補えるようにしましょう。

他にも老後や介護、病気の心配もしなければならないため、重要なのはライフステージの状況や変化に応じて加入保険の見直しを図ることです。

夫婦で共働き、子どもが独立していない場合は、万が一死亡してしまった時に教育費や仕送りが滞ることがないように死亡保障に重点をおきましょう。
教育費を含めた家族の生活費を補填させるためには収入保障保険がおすすめです。毎月または毎年、決まった給付金額を遺族が受け取れるからです。

しかしながら、子どもが独立まで間もなくという場合や、子どもが小さい時に加入してから見直しをしていないという場合は、死亡保障を減額できる可能性もあります。子どもが成長するにつれて、必要な教育・生活費は減るためです。
そして医療保険も、がんや三大疾病などをカバーでき、一生涯の保障があるものに加入しましょう。

余裕があれば、終身保険や養老保険で少しでも資産形成しておくことをおすすめします。
子どもが独立へ近づくにつれて、介護保障や老後の生活資金の準備に重点を変えていくことが大切です。

夫婦の場合(子どもが独立している)

成人した子供と、両親の夫婦が並んでいるイメージ図
子どもが独立している場合は、子どもの教育・生活費がなくなるので手厚い死亡保障は不要になっていきます。ただ、自身が亡くなった時の葬儀費用や遺品整理をするための費用は必要です。葬儀費用は200万円程度が平均となっていますが、遺品整理やお墓代なども含めると300万円ほどは必要になります。

子どもが独立した分、次は夫婦2人の生活を守ること、老後にむけた生活資金の確保へ重点を置いていきましょう。50代は退職するまで十数年あります。その間に少しでも介護保障と老後の生活費用を準備しなくてはなりません。
また、他のケースと同じように、病気やけがのリスクは高まるので、しっかりと医療保険の見直しや新たな加入を検討しましょう。

老後の資産形成を計画的に行うために、余剰資金がある場合は終身保険や養老保険を活用することをおすすめします。ただし、払う期間が長すぎると退職して収入が減少してからも支払いをしなければならないので、問題なく支払えるのかを考えることが大切です。

もしまとまったお金がある場合は、一時払いタイプの終身保険や、退職の年までの払込期間で全期前納ができる保険に加入して、ゆとりある老後生活を送るために準備をしておきましょう。ただ、解約の時期や保障内容によっては支払った金額よりも、受け取る時の金額が大幅に減少してしまう可能性があるので注意してください。

まとめ

生命保険を見直すと、たくさん考えることが出てくるのでついつい後回しにしてしまいますよね。

ですが、生命保険は家族や自分を守るためにとても大切なものです。「生涯で家の次に高い買い物」と言われることもありますが、これは決して大げさではありません。人生において、それだけ真剣に検討すべき問題なのです。

ただ、生命保険を見直すことのメリットはたくさんありますが、注意点もあります。

  • 今加入しているものを解約してしまうと元の状態に戻すことができないこと
  • 健康状態が悪い場合は生命保険に加入できなかったり、今よりも条件の悪い内容になったりする可能性があること
  • 解約返戻金が払った金額よりも少なくなる可能性があること

こういった注意点があるので、加入する際には思い切りだけで行動せず、周りの人や信頼できる営業マンに相談して、しっかりと自分に合っているかを吟味しましょう。

生命保険が気になっている今が見直しのはじめ時かもしれません。将来のために、しっかりと時間を取って見直しを検討しましょう。

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簾谷 志貴
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