収入保障保険とは
収入保障保険とは、死亡保険の一種で、
一定期間内に亡くなった場合に、年金形式で死亡保険金が支払われる保険です。
年金形式での受取のほか、一括形式での受取を選択できる商品もあります。
遺された家族の収入を保障する目的から、収入保障保険と呼ばれます。
収入保障保険の特長と仕組み
収入保障保険の特長
収入保障保険は、一定期間内に亡くなった場合に死亡保険金が支払われる保険であるため、定期保険の一種といえます。
しかし、収入保障保険は死亡保険金の受取総額が年々減っていくのに対し、定期保険は契約期間内であれば、
いつ死亡保険金を受け取っても受け取り総額は一定です。
収入保障保険は、死亡保険金の受取総額が年々減っていく仕組みをもつことから、定期保険よりも保険料が安いという特長があります。
収入保障保険の仕組み
なぜ、収入保障保険は家族の収入を保障する保険として適しているのでしょうか?
ここで、遺された家族が必要とする生活資金をイメージしてみてください。
生活資金のうち、金額が大きいものとしては、子供の教育費やローンの返済があるのではないのでしょうか?
子供の教育費は、子供が成長するにつれて必要になる金額は減っていきますし、ローンの残高も年々減っていきます。
収入保障保険は、必要となる生活資金が減少するのに合わせて、死亡保険金の受取総額も減少する仕組みになっていることから家族の収入を保障する保険として適していると言えます。
収入保障保険のメリット・デメリット
▶ メリット
・割安な保険料で大きな保障を得られる
・合理的に保障を用意できる
▶ デメリット
・解約返戻金がなく、貯蓄性がない
・まとまった費用の準備には不向き
収入保障保険のメリット
収入保障保険は、保険金の受取総額が年々減っていく分、掛け捨て型保険の中でも特に保険料が割安です。
大きな保障を得られつつも保険料を低く抑え、家計の負担を減らせることが最大のメリットです。
また、年を経るごとに子供の教育費やローン残高が減っていき、遺族が必要となる生活資金は減少していきます。
収入保障保険ではその減少に合わせて死亡保険金の受取総額も減っていくため、合理的に必要な分だけ保障を用意できるという点もメリットです。
収入保障保険のデメリット
収入保障保険には、解約返戻金がなく、途中で解約してもお金は返ってきません。いわゆる掛け捨て型保険であり、貯蓄性はありません。
貯蓄性がない分、保険料は割安ですが、貯蓄性のある保険を求める方には不向きです。
貯蓄性のある保険を求める方は、終身保険や養老保険を検討しましょう。
また、収入保障保険は、基本的に年金形式で保険金を受け取ることになるため、まとまった費用の準備には不向きというデメリットもあります。
収入保障保険と就業不能保険、所得補償保険の違い
収入保障保険の他にも、収入が途絶えてしまった場合に備えて加入する保険として、就業不能保険や、所得補償保険があります。
しかし、これらは名前が紛らわしいため、違いがわからない方もいるのではないでしょうか。
下記に、これらの保険を違いをまとめました。
収入保障保険の必要性
収入保障保険の目的は、遺された家族の収入の不足分を保障することです。
この点から、収入保障保険の必要性が高い人と低い人は下記のような方であると考えられます。
収入保障保険の必要性が高い人
- 小さい子供がいる人
- 片働き世帯の人など、家計の収入を担っている人
収入保障保険の必要性が低い人
- 子供がいない独身の人
- 共働きで、万一のことがあっても片方の収入だけでも生活していける人
- すでに十分な貯蓄があるなど、万一の備えができている人
収入保障保険を選ぶときの3つのポイント
①受け取る保険金の金額を決める
まずは、保険金の金額がいくら必要か把握することが大切です。
金額を把握するには、遺族の生活費と、公的な保障(遺族年金)でいくらまでカバーされるのかを見積りましょう。
②保険期間を決める
保険の期間の決め方には、考え方が大きく二つあります。
一つ目は、子供が独立するまでを保険期間とする考え方です。この場合、末後が独立するまでの年数で保険期間を決めるとよいでしょう。
二つ目は、配偶者の年金受給開始までを保険期間とする考え方です。この場合、配偶者が老齢基礎年金の受給を開始する65歳になるまでを保険期間と決めるとよいでしょう。
③保険金の受取方法を決める
保険金の受取方法は、年金形式での受取が一般的ですが、一括受取ができる保険商品もあります。
年金形式は、毎月お給料のように決まった金額を受け取る方法です。これは定期的な生活費に充てる場合に便利な方法です。
一括受取は、被保険者が亡くなった時点での保険金額を一括で受け取る方法です。
一括受取の場合、まとまった金額を一度で受け取れるというメリットがある一方、年金形式よりも受取総額は少なくなります。これは、一括受取の場合は、保険金受取時から保険期間満了時まで期間に運用により得られたであろう利益相当額が割り引かれて支払われることが理由です。
これらを考慮し、状況に応じて受取方法をどちらにするか検討しましょう。