医療保険とは
医療保険とは、病気や怪我の治療にともなう医療費の支出に備えて加入する保険のことをいいます。
医療保険には、大きく分けて国が提供する「公的医療保険」と民間企業が提供する「民間医療保険」の2種類があります。
「公的医療保険」は加入者の職業によって種類が分かれており、健康保険、共済組合、船員保険、国民健康保険の4種類があります。
私達は、病院で診察を受ける際に健康保険証を提示します。これが「公的医療保険」です。これにより、治療費の自己負担額が減り、安く治療を受けることができるのです。(参考:厚生労働省「我が国の医療保険について」)
「民間医療保険」は、公的医療保険ではカバーできない支出に備えて加入する保険です。
公的医療保険でカバーできない支出としては、自由診療や先進医療、差額ベッド代などがあります。
これらの支出に保険で備える必要がある場合には、民間医療保険に加入することになります。
※自治体によっては子ども向けの医療費助成制度がある場合があります。
民間医療保険の種類
民間医療保険には、以下の4つの種類があります。
- 終身医療保険
一生涯にわたり保障が得られる医療保険 - 定期医療保険
保障期間が一定期間に限定された医療保険 - 女性保険
女性特有の病気に対して手厚い保障が受けられる医療保険 - 引受基準緩和型医療保険
保険に加入する条件が緩和された医療保険
①終身医療保険
終身医療保険は、一定の保険料で、一生涯にわたり保障が得られる医療保険です。
▶ メリット
・保険料は何歳になっても変わらない
・若いうちに加入すれば割安な保険料で一生涯の保障を受けられる
▶ デメリット
・定期型と比べると保険料が割高
💡こんな人におすすめ
若いうちから病気になりがちな老後の医療費に備えたい人
②定期医療保険
定期医療保険は、保障期間が一定期間に限定された医療保険です。
▶ メリット
・終身型と比べ当初の保険料が割安
▶ デメリット
・更新の度に保険料が上がる
💡こんな人におすすめ
「預貯金の少ない期間だけ」など、一定期間だけ保障を受けたい人
③女性保険
女性保険は、女性特有の病気、例えば乳がんや子宮がん、子宮筋腫などに対する保障が手厚くなっている保険です。
▶ メリット
・女性特有の病気への保障が手厚い
▶ デメリット
・保障が手厚い分、保険料が割高
💡こんな人におすすめ
女性特有の病気に対する保障を特に手厚くしたい方
④引受基準緩和型医療保険
引受基準緩和型医療保険は、保険に加入する条件が通常の医療保険よりも緩和された医療保険です。
▶ メリット
・持病や入院歴があっても保険に加入しやすい
▶ デメリット
・通常の医療保険と比べて保険料が高い
💡こんな人におすすめ
持病や入院歴があるなど、健康に不安がある方
医療保険の必要性
万が一病気やケガをしたときに、自らの貯蓄から治療費を支払う人や、勤務先の福利厚生が充実している人は、医療保険に入る必要はありません。
一方、次の項目に一つでも該当する人は、民間医療保険への加入の検討をおすすめします。
✔ 現在、貯蓄があまりない人
✔ 貯蓄はあるが、将来に備えて貯蓄を取り崩したくない人(教育費の貯蓄や年金生活時の生活費のために貯蓄している場合など)
✔ 入院するなら個室にしたいなどの希望で、多めにお金を用意しておきたい人
✔ 自営業の人
なお、すでに皆さんが加入している公的医療保険には、高額療養費制度という制度があります。(参考:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」)
この制度を使えば、万が一病気やケガをして治療費が多くかかったとしてもひと月あたりの自己負担額を9万円弱※に抑えることができます。
※適用区分において年収が約370万円~約770万円の場合(69歳以下の場合)
仮に2ヶ月入院する場合、自己負担額は18万円弱です。
(月が3つにまたがると、自己負担額はひと月あたりの限度額の3倍になります。)
もしこの金額を貯蓄で賄うことができないのであれば、民間医療保険への加入を検討したほうがよいかもしれません。
また差額ベッド代や入院時の食費、交通費などは全額自己負担になります。公的医療制度で補えない出費についても考える必要があります。
医療保険の選び方
一定期間の保障なら「定期型」、それ以外なら「終身型」
「預貯金の少ない期間だけ」、「子どもが大きくなるまで」など、一定期間だけ保障を受けたい人には定期型医療保険がおすすめです。
一定期間だけじゃなく、一生涯にわたって保障を受けたい方は、終身型医療保険がおすすめです。
支払う保険料を考えると、一定期間だけであれば、定期型医療保険のほうが安くなりますし、一生涯であれば、終身型医療保険のほうが安くなります。
必要に応じて特約をつける
特約とは、保障内容を手厚くするために追加できるオプションのことです。
代表的なものとして、次のものがあります。
- 先進医療特約・・・先進医療を受ける際の自己負担額を保障する
- がん特約・・・がんに対する保障を手厚くする
- 特定疾病特約・・・特定疾病に対する保障を手厚くする
- 女性疾病保障特約・・・女性特有の病気に対する保障を手厚くする
必要に応じて、これらの特約をつけることを検討しましょう。
※社会保険制度の内容については、2022年7月1日現在施行されている制度に基づく内容です。今後の制度改正等によって、内容が変更される場合もあります。
※保険商品の内容は、一般的と考えられる内容です。各保険会社が取扱う保険商品の内容については、各保険会社へお問い合わせください。